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母が介護施設に入所しました

 先月、92歳の母が介護施設に入所しました。

 

 母が住んでいたのは大工だった父と共に作りあげた家でしたので強い思い入れがあり、足腰が弱くなっても「ここに居る」と頑として施設に入ることを拒んでいました。今年に入ってから持病の腰痛が悪化して自力で起き上がることが段々難しくなっていき、動きたくない→食事がおろそかになる→筋力が衰える→ますます動けなくなる という悪循環に陥り、体調も悪化して入院となりました。そのうちに母の気持ちに変化があり「家に居るのはもう無理」と口に出すようになりましたので、本格的に介護施設のことを調べたり紹介していただいたりして施設を決めることが出来ました。

 

 今回のことは、私自身の今後のことを考える機会になりました。母が実家にいた頃は「施設に入ってくれれば心配なくて良いのに」としか思っていませんでしたが、居たいと思える居場所があることは、生きる上で大事なモチベーションになっていたのだと母の気持ちが少し理解できた気がします。周囲の人に心配をかけたとしても自分自身が不安になるまでは、居たいと思える場所に居ることが本人にとっての幸せなのですね。老後のことを考えると住宅って大事だなぁと痛感しました。

 

 24時間のサポートをしていただけることになり、母が安心して笑顔で生活できることを願っています。そして、私の大好きなこの景色を眺めながら永く暮らして行きたいと気持ちを新たにしました。

文 / 政谷 悦子