住まい塾の家(築23年)の改装工事の打合せで、勝手口の木製開き戸を通風のために少し開けて固定したい(出入口に利用中で手軽に操作出来るもの)との要望があり、打ち掛け金物を取り付けました。
この木製ガラス建具にはロートアイアン(アインズ製作)の格子がデザインされており、扉の意匠に合ったものはないか、落とし金物では対応出来ないかと探し続け、京都老舗の室金物の打ち掛け金物(菊座は不使用)に辿り着きました。
この金物の特大のものは祇園祭の提灯台の固定にも使用されているようです。初めて使う金物なので大きさや質感が分かり難く悩んでいたところ、別件でスタッフと京都に行ったことがきっかけとなり、本社販売部で実物を確認することができました。
開き建具を固定する金物は風に煽られたりするので強度が必要となります。窓用の調整器も歪んだりすることがありますので、建具の大きさや立地に注意が必要です。この金物は重量感もあり、がっちりとしているので安心感があります。レバーハンドルやサムターンを避けて使い勝手の良い位置を建主さんと相談しながら設置しました。
この春から、キッチンで過ごされる時間が少し心地よくなれば幸いです。
文 / 梅田 佐和子