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奈良に住んで30年余りになります。古い寺院を散策するのが面白く感じるようになったのは、つい最近のことです。美しいだけでなく、大らかで穏やかな佇まいの古建築が奈良の魅力かと思います。数年前、興福寺の中金堂が再建された際には、大きな柱や梁の材料としてカメルーンのアフリカケヤキやカナダの米ヒバが使われた、と聞きました。住宅の建築と同じく、寺院の修復・再建にも、海外の木材が使われることはしばしばあるようです。家も寺院も、はるばるやって来た木たちの末永い安住の地となればいいな、と思います。
木材だけでなく様々な建築材料や機器についても現場と世界はつながりがあり、そのつながりが不安定なこの頃。感染症や戦争による被害の終息はもちろんですが、建築の現場もまた、平穏な世の中になることを強く願っています。
文 / 筒井 涼子