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定期点検

 住まい塾では、竣工後1年目と3年目に定期点検を行い、建物の状態を確認しています。 

 先日、2年前に竣工したお家の定期点検のため、滋賀県のお宅を訪れました。今回はコロナ禍による移動自粛など諸々の事情のため、1年遅れて2年目の点検となりました。 

 

 竣工当時は杉材の個性が感じられる建物でしたが、2年経ってみると全体に色合いが穏やかになり風合いが増して、家はすっかり家族の一員のように馴染んでいました。外回り、室内ともに点検を行いましたが、大きな問題はなく、丁寧な施工をされた職人さんときれいに住んでいただいている建主さんに感謝します。 

 

 無垢の木や漆喰などの素材は、建物が完成した後も生き物のように少しずつ変化します。特に乾燥による収縮は、素材によって変化の速さも大きさも違い、その差が隙間やねじれとなって現れることもあります。変化が落ち着くまで数年様子を見た後、そのままの姿にしておく場合もあれば、補修する場合もあります。今回は階段の段板や本棚の棚板と、漆喰壁の隙間などを補修しました。 

  階段 段板と漆喰の隙間


 これからも、ご家族と共にこの家が育っていく姿を見守っていきたいと思います。  


文 / 筒井 涼子