新型コロナウィルスの感染拡大防止のため、東京本部、大阪本部の勉強会を中止しましたので、
内容を少しご紹介します。
~長く住み続けるために~ メンテナンスの基本
時の経過と共に味わいを増していくと言われている自然素材。より長く楽しみ、快適に過ごすには、どのようなお手入れをすればいいのでしょうか?
日常のちょっとしたお手入れやお掃除の話や、3年点検、10年点検で行っているメンテナンスの実際をご紹介しながら、『長く愛着を持って住み続ける』ことについて、皆さんと一緒に考えたいと思います。
まず、一番質問の多い、『濡れ縁やバルコニーの木部のお手入れ』についてです。
住まい塾では木材の持ち味を生かすため皮膜を作らないオイル塗装をしていますので、半年~1年に一度程度、定期的に塗装することが必要です。
外部のスノコ板は、10年くらいになると、雨ざらしで乾きにくいところから腐り始めます。腐ったところを新しい材料に入れ替えながら、塗装をして使い続けることができます。手を入れることによって、全体が腐って全体を作り替えるまでの時間が伸びることになります。
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10年を過ぎ、
痛みがめだってきた濡れ縁。
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腐った板と下地だけを新しい
木に変え、洗い、オイル塗を
して使います。
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10年で色あせたバルコニー
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10年目のリフレッシュ工事で、
洗い、オイル塗をしました。
室内のカウンター等、木部のお手入れは、場所、汚れの種類によっても変わりますが、外部と同じく、乾かすこと、定期的なオイル塗装が大切です。お手入れの体験を特集したものがありますので、参考にしてください。
『住まい塾だより・本部の傍らから』(会員誌より抜粋)
ガルバリウム鋼板の屋根の場合は、築15年頃までに鋼板の保護のために洗い、塗装をするといいでしょう。
その頃になると、建物全体を見直し、設備の取り替え、建具の微調整等が必要な時期になります。屋根のために足場を架け、同時に破風板、鼻隠し、窓枠などを洗い、オイル塗装のメンテナンスをすると、木材の耐久性が増すことになります。
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築13年。木部が色あせ、黒ずみが目立ってきました。
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外部の木部を洗い、オイル塗装を施工。
壁のクラックや、木部との隙間のコーキング
などを行い、リフレッシュしました。
住まい塾を始めて36年。新築された建主さんから、次の世代や、次の建主さんへ住み継がれるケースも始まってきました。愛着を持って、手を入れながら、世代を超えて住み続けていけることを、知っていただきたいと思っています。
文 / 南野容子